【事例付】不動産業を自宅で開業する方法を解説!メリット・デメリットや注意点も抑えておこう 

2023.03.14

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働き方が多様化する今、自宅で不動産事業を始めようと考える人も増えてきました。
しかし、自宅を事務所として使うためにはあらゆる条件を満たしている必要があります。
この記事では、自宅で不動産を開業しようと考えている人へ向けて、自宅兼事務所の開業方法やメリットデメリット、注意点についてご紹介します。
ポイントを抑えて不動産の開業を成功させましょう。

自宅で不動産事業を開業するメリット・デメリット

自宅で不動産事業を開業することで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

3つのメリット

自宅で不動産事業を開業するメリットは、以下の3つです。

  • 初期費用や運営費を削減できる
  • 家賃を経費計上できる
  • 通勤時間がなくなる

初期費用や運営費用を削減できる

自宅で不動産を開業すると、初期費用や運営費用を削減できます。 店舗やオフィスを借りる場合、家賃や敷金、礼金だけでなく、看板設置費用や改装費用などの設備費用が必要です。 加えて運営費用も発生するため、合わせて数十万円以上かかってしまうこともあります。 しかし、自宅を仕事場にすることで初期費用や設備費用を大幅に削減可能です。

家賃を経費計上できる

自宅が賃貸の場合は、家賃の一部を経費計上できます。ただし、経費計上をする場合は、プライベートと事務所それぞれの面積を明確にして「家事按分」をする必要があります。 さらに、経費計上した分が事実と異なる場合は、税務調査の対象になり、追加納税を求められることもあるので注意しましょう。
不安な点がある場合は、税理士に相談しながら進めてください。

通勤時間がなくなる

自宅を仕事場にすることで、満員電車に乗ったり車で遠くまで通ったりする必要がなくなります。 通勤時間もかからなくなるため、仕事とプライベートの時間を最大限に取ることができ、自分のライフスタイルに合った働き方を実現可能です。

3つのデメリット

自宅開業には、以下のようなデメリットもあります。

  • 立地の良し悪しが顧客の獲得に影響する
  • 仕事とプライベートの区別をつけづらい
  • セキュリティ面で不安が残る

立地の良し悪しが顧客の獲得に影響する

自宅を仕事場にすると、立地状況によっては集客が難しくなる場合があります。 人通りが多い大通り沿いや目立ちやすい角地であれば、多くの人の目に留まるため、顧客の獲得も難しくありません。 しかし、人通りが少ない場所や集合住宅に自宅がある場合は、顧客を獲得しづらい傾向にあります。 また、住所を公開すると自宅の場所がばれてしまうため、広告を出し渋ることもあるでしょう。 広告を出さずに集客をする場合は、既存顧客や地域の顧客を取り入れる必要があります。

仕事とプライベートの区別をつけづらい

自宅を仕事場にすることで、いつでも好きなタイミングで働けるのがメリットです。 しかし逆に言えば、仕事とプライベートの区別をつけづらくなることはデメリットともいえます。 仕事とプライベートの区別をつけられないと、1日中仕事をすることになったり、ダラダラと仕事をしてパフォーマンス力が下がったりすることもあります。 パーテーションで居住空間と仕事場の区切りを作ったり、完全予約制で来客時間をコントロールしたり、仕事とプライベートの区別をつけられるように工夫をしてみましょう。

セキュリティ面で不安が残る

自宅で事業を開業する場合、情報漏洩や書類紛失などのリスクがあります。 セキュリティ面で顧客に不信感を与えてしまうと、致命的なダメージとなりかねません。 万が一、情報が漏洩した場合は社会的信用を失うだけではなく、損害賠償を請求されることもあります。 自宅を仕事場にする場合は、以下のようなセキュリティー対策を行うようにしましょう。

  • 有料のウイルス対策ソフトの導入
  • 仕事用の機器を新たに購入
  • 情報が入っているUSBを持ち出さない
  • 仕事に関するもの全てを持ち出さない

上記のルールを徹底することで、情報漏洩や書類の紛失などのリスクを軽減できるでしょう。

【事例】不動産の自宅開業を成功させた3つの事例

ここからは、不動産の自宅開業を成功させた3つの事例を紹介していきます。

地域特化型営業で小さくスタート

地域に特化した営業を行い、人脈作りから始めることで、立地の良し悪しに左右されない顧客の獲得が可能に。 自宅で事業を行う際は人との繋がりが重要だと言っても過言ではありません。 自宅営業の場合は店舗を設けている会社と異なり、宣伝力が劣るため、工夫しなければ顧客を獲得するのは難しいでしょう。 地域に特化した人脈づくりを意識することで、人から人に口コミが伝わり、顧客の獲得に繋がる可能性が高いです。

事務作業を外注化し事務所スペースを有効活用

経理や総務、法務などの事務作業を外注化することで、事務員の人材コストが削減されるうえ、事務作業スペースも必要なくなるため、事務所スペースが広くなります。 事務所スペースが広くなることで、開放的な空間になり、顧客も足を運びやすくなるでしょう。 とくに、1人経営体制を作りたいと思っている方は、アウトソーシングサービスを活用すると便利です。

専門性の高いサービスで顧客獲得

「おしゃれ×リノベーション」「ワークスペース付き物件」などジャンルを絞り、専門性の高いサービスを提供することで、顧客獲得に繋がったケースもあります。 多くの顧客を獲得するために、幅広いジャンルのサービスを提供しようと考えている方もいるでしょう。 しかし、幅広いジャンルに手を出すとコンセプトが定まらず、サービスの質が落ちる可能性があります。 特定のジャンルに絞って専門性の高いサービスを提供することで、顧客満足度に繋がり、結果として契約率や集客率アップも期待できるでしょう。

不動産業を自宅で開業するときの注意点3つ

不動産業を自宅で開業する際には、注意点があります。 ここからは、自宅に事務所を設置する際に、宅地建物取引業免許を取得する関係で満たさなければいけない以下3つの条件を説明します。

居住空間と事務所は区別しているか

居住空間と事務所がしっかり区別されているかを確認しましょう。 例えば、パーテーションで仕切られていたり、事業用に別の部屋を用意したりなどです。 自宅で開業する際は、継続的かつ専属的に利用できる場所を確保しなければいけません。

事務所専用の出入口が確保されているか

普段使用している出入り口ではなく、事務所専用の出入り口を確保する必要があります。 出入り口が1つしかない場合は、リフォームやテナントなどを借りることなどを検討しなければいけません。

事務所の形態に整えられているか

自宅開業する場所は、事務所の形態が整えられていなければいけません。 「事務所としての形態」とは、事務所用の机や椅子が揃っていたり、業務用のパソコンやコピー機などの機器が揃っていたりすることを指します。 問題なく作業ができる環境が整っているか、確認しましょう。

自宅で不動産事業を開業する5つの手順

最後に、自宅で不動産業を開業する手順を、大まかに5ステップに分けて説明していきます。 具体的な手順は、以下の通りです。

  1. 行政書士による現地確認・書類の作成
  2. 行政庁へ免許申請・不動産業協会入会
  3. 不動産業協会審査担当員による現地確認
  4. 供託済証の発行・宅建業免許証の受領
  5. 自宅兼事務所として不動産開業の開始

行政書士による現地確認・書類の作成

まずは、行政書士による現地確認と書類の作成が行われます。 自宅を仕事場として認められるように、できる限り自宅ではなく「事務所」として見せる必要があります。 賃貸の契約内容や間取りによっては、環境を整えていても認められない場合があるので注意が必要です。

行政庁へ免許申請・不動産業協会入会

書類を作成してもらったら、行政庁へ免許の申請を行い、不動産業協会に入会しましょう。 土地や建物などの高額なものを取引する不動産業者は、万が一の場合に備えて損害賠償できる体制を整えなければいけません。 そのため、営業保証金の1,000万円を法務局へ提出する義務がありますが、不動産業協会へ入会することで60万円に減額されます。 開業費用や初期費用の大幅軽減に繋がるため、忘れずに入会申請を提出しましょう。

不動産業協会審査担当員による現地確認

次に、不動産業協会審査担当員による現地確認が行われます。 現地確認では事務所の実地調査と入会面接が兼ねられ、以下点について聞かれることが多いです。

  • どのような事業内容で経営計画を立てているか
  • 事務所の体裁は整っているか
  • 協会が開催するイベントの案内

現地確認で認められた場合は、入会金などの振り込みを行い、正式に入会することになります。 また、この時点で行政庁から免許の通知が来るので、大切に保管しておきましょう。

供託済証の発行・宅建業免許証の受領

不動産業協会に支払いをしたら、分担金の供託済証が発行されます。 免許通知の葉書と供託済証を持って、行政庁に宅建業免許証を受け取りに行きましょう。

自宅兼事務所として不動産開業の開始

宅建業免許証の受け取りが完了したら、不動産業がスタートです。

まとめ

自宅で開業する際は費用を安く抑えられ、通勤時間がなくなるなどのメリットがあります。 しかし、集客力やセキュリティー面に対策を講じる必要があるため、事前に計画しておくことが大切です。 また、居住空間と事務所をしっかり区別すること、専用の出入り口を確保すること、事務所としての形態を保持することなど、自宅開業には複数の条件があります。 開業する前に、条件を満たしているか確認しておきましょう。

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