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タイトルの意味がよく理解できない方が多いと思います。
実は、そこに賃貸住宅市場の不透明さが潜んでいます。
オフィスの場合、指標を発表している会社によって基準は異なるものの、「S(超大型ビル)」、「A(大型ビル)」、「B(中型ビル)」、「C(小型ビル)」といったクラス分けが行われています。これはそれぞれのクラスによって市場が異なるからです。
一方で賃貸住宅の場合、「賃貸住宅」とひとまとめにされるか、もしくは「マンション」、「アパート」という大雑把な分け方しかありません。使用しているデータのクラスが異なっていると、指標を発表している会社によって値が大きく異なるのは当然です。クラス分けがきちんと行われていないことが、各社の指標の信ぴょう性を低下させるという弊害が起こっています。
賃料については、「高級マンション型賃貸住宅と木造アパートでは異なるよね」等の暗黙の了解が存在しますので、比較的に受け入れられやすいですが、空室率にはコンセンサスがないので混とんとしています。クラスの概念がないため、空室率の正確性に関する議論に発展しやすいのです。
オフィスビルで例えれば、Sクラスビルの空室率とBクラスビルの空室率を比較して議論しているようなものですが、議論している当事者たちのほとんどはそれに気が付いていません。不毛な議論を避けるためにも、共通認識としての賃貸住宅のクラス分けが必要です。
図1に、筆者のこれまでの経験を踏まえて作成した賃貸住宅のクラス分けの試案と、日本情報クリエイト社が発表した賃貸住宅指標CRIX(create rental housing index)や各社が発表している指標や国の統計がどのクラスを指し示しているかを示します。
オフィスビルに倣いS、A、B、Cの4分類としました。それぞれの割合は賃貸住宅戸数の5%、20%、50%、25%程度をイメージしています。Bクラスは幅が大きいため、B1~B3のように3分割してもよいかもしれません。
賃料はクラスが下がるほど低くなります。また空室率はクラスが下がるほど高くなります。各社の発表からSクラスの空室率は3%程度、Aクラスの空室率は5%程度です。一方で、すべてのクラスを含む住宅土地統計調査の空室率はコロナショック前の2018年時点で、全国で18.5%と高い値を示しています。したがって、B・Cクラスの空室率が高いことが推察できます。なお、Cクラスは仲介や管理の委託が行われていないので、政府の統計でしか確認できません。Cクラスの割合は筆者が過去に行った推計から設定しています。
図1:賃貸住宅のクラス分け試案と発表されている指標との関係
前述のとおり、Sクラスの空室率を3%、Aクラスの空室率を5%と仮定し、Cクラスは経営難で仲介や管理の委託ができなくなった物件ですので空室率を45%と仮定します。S~Cクラス全体の空室率を住宅土地統計調査の18.5%とすると、Bクラスの空室率は12.2%と推計できます。
S・Aクラスに含まれる大手会社はデータを自らのシステムで管理しています。したがって、CRIXの算出に使用しているデータはB1・B2クラスとAクラスの一部と考えるのが妥当です。Aクラスが20%、B1・B2クラスがそれぞれ40%、B2をBクラスの平均12.2%と考え、B1・B3の空室率が12.2%±2ptと仮定するとCRIX空室率は9.96%と推計できます。図2にCRIX空室率(全国)の推移を示します。おおよそ9.96%前後で推移(全期間平均:9.76%)していることが確認できます。
図2:CRIXの空室率(全国)推移
CRIX(クリックス:Create Rental housing Index)は、当社が保有する膨大な量の賃貸住宅管理データ(ビッグデータ)より算出した、賃料・空室状況に関するインデックスで、次のような特徴を持っています。
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