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2024年4月30日に総務省から「2023年住宅・土地統計調査」の速報集計結果が発表(※1)されました。多くのメディアが取り上げているので、ご覧になった方も多いと思います。
2023年10月1日時点で、前回(2018年10月1日調査)に比較して、我が国の総住宅数は+4.2%(+261万戸)の6,502万戸、空き家数は+51万戸の900万戸まで増加しています。うち賃貸用の空き家(賃貸住宅の空室)は+10万戸の443万戸と、空き家の約半分を占めていることになります。
賃貸用の住宅の空室率等の分析は詳細な集計結果の発表を待つ必要がありますが、大都市部等の不動産流通情報が発表されている地域ではある程度推計することができます。
※1:総務省「2023年住宅・土地統計調査」(原文は和暦ですが西暦表記にしています) https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html
図1は東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の賃貸住宅の需給ギャップの推計と住宅・土地統計調査の賃貸用住宅の空き家数の変化を比較したものです。
需給ギャップの推計は、
①各都県の不動産流通戸数(新築マンション、中古マンション、新築戸建て分譲、中古戸建の成約数、注文住宅の着工数)に国土交通省の「住宅市場動向調査報告書」から求めた購入前に賃貸住宅に居住していた比率を乗じて、賃貸住宅居住世帯の需要減少を算出
②各都県の人口統計から世帯数の増加数(住宅需要の増加数)を算出
③賃貸住宅需要減少①と住宅需要の増加数②から正味賃貸住宅需要増加数を算出
④国土交通省「住宅着工統計」から各都県の賃貸住宅供給量を推計
⑤正味賃貸住宅需要増加数③と賃貸住宅供給量④から賃貸住宅の需給ギャップを算出
という手順で2018年度~2022年度の5年間分を算出しています。 なお、推計需給ギャップは賃貸住宅の滅失分を考慮していませんのでギャップが大きめに出る可能性があります。
賃貸用住宅の空き家数の変化は2023年調査の賃貸用住宅の空き家数から2018年調査の賃貸用住宅の空き家数を差し引いて算出しています。賃貸住宅の推計需給ギャップと住宅・土地統計調査の賃貸用住宅の空き家数の変化に相関性があることがわかります。
図1 賃貸住宅の推計需給ギャップ(2018年度~2022年度)と住宅・土地統計調査の賃貸用住宅の空き家数変化の比較 不動産経済研究所「東京圏新築分譲マンション市場動向」、東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」、国土交通省「住宅着工統計」国土交通省「住宅市場動向調査報告書」、各都県の「住民基本台帳による世帯と人口」、総務省「住宅・土地統計調査」より作成
図2は推計需給ギャップの2018年度以降の累計です。コロナ禍の影響で2020年度以降に東京都の賃貸住宅の需給ギャップが拡大し、空室率が増加したことがわかります。
一方で周辺3県の賃貸住宅の需給ギャップは縮小傾向にあります。ただし、これは2018年度以降の累積です。実際の市場は数十年に及ぶ需給ギャップの累積で構成されています。 したがって図2は、各年度の賃貸住宅市場に対して空室率の上昇(下降)圧力がどの程度あったかを判断する参考として用いればよいでしょう。
図2 東京圏各都県の賃貸住宅の需給ギャップの累積推移
不動産経済研究所「東京圏新築分譲マンション市場動向」、東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」、国土交通省「住宅着工統計」国土交通省「住宅市場動向調査報告書」、各都県の「住民基本台帳による世帯と人口」より作成
図3にCRIXから作成した2020年1月以降の東京圏各都県の賃貸住宅空室率の推移を示します。マンション、アパート、間取り、部屋面積により市場が異なるため、需給ギャップも異なりますが、図3は全てまとめた平均値ですので、こちらも参考程度にご覧ください。
特に神奈川県において、図2に示した需給ギャップの推移と大きく異なった動きとなっていることがわかります。これは前述した、過去数十年に及ぶ需給ギャップの累積の結果、神奈川県の賃貸住宅市場が供給過剰状態になっている可能性を示しています。
図3 東京圏の賃貸住宅空室率の推移 CRIXより作成
また、本コラムシリーズの「賃貸住宅指標が指し示すものを正しく認識しよう」(※2)で解説したCクラス(自主募集、自主管理)物件が、市場の変動によりBクラス(仲介委託、管理委託)と出入りすることによっても、統計データ上の空室率が大きく動きます。
これにより、需給ギャップが縮小(需要過多)しているにもかかわらず空室率が悪化する状況が生まれます(図4)。
神奈川県の2020年初め~2022年後半にかけての空室率悪化は、市場が好転したことから、Cクラスの物件の多くがBクラスに復帰したことで生じたと考えるのが妥当です。
※2:「賃貸住宅指標が指し示すものを正しく認識しよう」
https://www.n-create.co.jp/pr/column/crix/create_chintai_index_03
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