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2021年からIT重説の本格運用がスタートし、対面を避けたいお客様のニーズに応えられるようになりました。
IT重説は、お客様が来社する手間を省けるため、遠方のお客様や忙しいお客様との契約を勧めやすくなるなどのメリットがあります。
しかし、オンラインでの重要事項説明となると「どう対応すればいいのか分からない」という不動産会社の担当者も多いでしょう。
この記事では、IT重説の基本やメリット・デメリット、流れや注意点を分かりやすく解説します。
IT重説とは、オンラインで重要事項説明を行うことです。
宅地建物取引業者が実施し、説明前に宅建士の免許証を示すなどの手順を満たすことで、リモートでの重要事項説明が可能になります。
従来の重要事項説明は、対面で行うことが義務づけられていました。しかし、2017年には賃貸借契約でIT重説が可能となり、次いで2021年には売買でのIT重説も本格運用がスタートしたのです。
出典:「ITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」(国土交通省)https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001397149.pdf(2023年5月30日に利用)
これにより、対面で行っていた重説を会議ツールなどを利用して、対面せずに行えるようになりました。
IT重説は、コロナ渦において対面を避けられる契約方法として注目されており、会議ツールを取り入れる不動産会社が増えているのです。
IT重説を行うための手続きなどは必要なく、国土交通省のガイドラインに基づいていればどの不動産会社でも実施できます。
ただし、契約についての重要な説明をオンラインでするため、トラブルを避けるためにもしっかりとした準備が必要になります。
そのため、IT重説の流れやポイントをきちんと把握しておくことが重要になるのです。
まずは、IT重説のメリットを見ていきましょう。メリットとしては、次の3つが挙げられます。
IT重説ではオンラインの会議ツールなどを利用するため、お客様がどこにいても重説が実施できます。
対面で重説を行う場合、お客様には店舗まで時間をかけて来店してもらわなければいけません。近隣に住んでいるならよいですが、遠方のお客様となると、移動も飛行機や新幹線を利用するケースがあり時間も費用もかかります。
IT重説なら、お客様がどこに住んでいようと自宅で重説を受けられるため、来店の手間やコストを省けるのです。
また、不動産会社側にとっても、遠方のお客様に物件を紹介しやすくなるというメリットにつながります。
対面を避けたいお客様への選択肢も増やせるため、他社との差別化につながるでしょう。
IT重説は、パソコンやタブレットといった媒体を利用するため、説明の様子を記録に残すことが可能です。記録を残すことで、説明した証拠となり後々「聞いていない」などのトラブルを防ぎやすくなります。
賃貸物件の場合、退去時の改修などの責任の所在はトラブルになりやすい問題です。録画データを残しておけば、トラブルになった際の証拠として利用できるでしょう。お客様側にとっても、説明の内容を後で確認できるというメリットにもなります。
ただし、お客様によっては録画されることを嫌がる場合もあります。
説明の記録についてはガイドラインで「双方合意のもと行う」と示されているため、お客様の同意を得てから録画するようにしましょう。
IT重説なら移動時間が削減できるため、お客様の隙間時間で対応することも可能です。
対面での説明の場合、来店のための日程調整が必要です。お客様によっては仕事が忙しく時間が取れない場合や遠方に住んでいて来店できる日数が限られている場合もあるでしょう。
コロナや急な病気・ケガによる延期のリスクは宅建士側にも言えます。
IT重説なら自宅でも説明できるため、ケガで動けない場合でも対応できます。
このように時間の融通が利きやすくキャンセルや延期が起こりにくいため、日程調整もしやすくなるのです。
また、不動産会社にとっても日程調整の手間を減らせるため、業務効率向上に繋げられるというメリットにもなります。
IT重説にもデメリットがあるため、デメリットを理解して対策しておくことが大切です。デメリットには、次の4つが挙げられます。
会社にリモートに対応した機材があれば問題ありませんが、これからリモートを進めている場合、カメラやマイクなどの購入が必要です。
すでに機材がある場合でも、「イヤホンなどの調子が悪い」といった理由で新たに購入しなければならない場合もあるでしょう。
導入のためにある程度のコストがかかる点には注意が必要です。
IT重説では、お客様のお顔が画面越しで映るため、表情を汲み取るのが難しくなり、お客様が内容を正しく理解できているかが確認しにくくなる点に注意が必要です。
対面であれば、その場のお客様の表情や雰囲気で理解度がある程度把握できます。しかし、IT重説の場合は、お客様が説明を聞き流して別の書類や画面を見ていても気づくのが難しくなります。
IT重説では、事前に重要事項説明書や添付書類を契約者に送付する必要があります。書類は紙で作成するため、発送費用や発送の手間がかかります。
「リモートでの説明だから、書類も電子ファイルで良い」というわけではない点には注意しましょう。
IT重説では通信環境に左右される点にも注意が必要です。
途中でフリーズしたり速度が遅くなることで、説明がスムーズに進まない可能性があります。画質が悪いと、映し出された書類がよく見えなくなってしまう場合もあるでしょう。
また、説明に1時間以上かかる場合もあるため、長期間安定して通信できる環境かも事前に確認しておくことが大切です。
IT重説の大まかな流れは次のようになります。
まずは、お客様からIT重説の同意を得ます。
同意を得たら、説明日の日程を調整し、同意書を取得しましょう。
IT重説をする場合、不動産会社と契約者の通信環境を整えることが必要です。機材の準備後はきちんと接続できるか、事前にテストするようにしましょう。
また、契約者側にも事前に機材や必要なソフトのダウンロード・接続テストをしてもらうことが大切です。
使用するツールや必要な準備・当日のURL等はメールなどを通して事前に伝えるようにしましょう。
重要事項説明書や契約書・各種添付書類などの必要書類一式を、IT重説の前日までに届くように郵送で送付します。
書類には、宅建士の記入捺印が必要なので漏れが無いように注意しましょう。
調整した日時にIT重説を実施します。
宅建士は、説明を実施する前に宅建証を提示しなければいけません。また、IT重説の参加者が契約者本人であることを確認するため、身分証明証を準備してもらうようにしましょう。
双方の確認が取れた後、説明をスタートします。
説明中に通信環境が悪くなった場合は、中断などの対応が必要になる点も考慮しておきましょう。
説明後、契約者に重要事項説明書や契約書類などに記名・押印して返送してもらいます。
返送してもらう書類のリストや押印する場所に印をつけておくなどすると、お客様もスムーズに手続きできるでしょう。
IT重説を行う際の注意点として、次の3つが挙げられます。
ガイドラインが定めるIT重説の要件として、「双方向で音声や映像のやり取りができる状態」があります。不動産会社側がカメラ・マイクをONにするだけでなく、お客様側もONにする必要があるので注意しましょう。
お客様によっては、自宅や自分の顔が映るのを嫌がる場合があるので、IT重説直前でカメラ・マイクONを伝えると支障が出る恐れがあります。
事前にカメラ・マイクONが必須である旨を伝えておくことが大切です。
IT重説では、ガイドラインによって「録画は双方合意のもと実施する」よう定められています。また、説明中には個人情報に関わる情報が出る場合もあるため、事前に個人情報に関する取扱いや録画などの同意を得ておくことも大切です。お客様からの同意が得られない場合は、録画を実施しない状態でIT重説を進めるようにしましょう。
IT重説は画面越しからしかお客様の表情を確認できないため、こまめに内容を理解できているか確認することが大切です。
相手の反応や表情で確認するだけでなく、口頭でも理解度を確認したり質問を受けるようにしましょう。
IT重説では、対面での説明よりも細かく丁寧な説明やお客様対応を心がけることが大切です。
日本情報クリエイトの「IT重説」ツールは、誰でも簡単&スムーズにIT重説ができるサービスです。
必要なのは「トークルームを作成する」ボタンのクリックというシンプルな操作だけなので、初めての人でも安心してIT重説がスタートできます。
日本情報クリエイトのIT重説は、お客様側で特別なソフトのインストールは必要ありません。
IT重説をするツールによっては、お客様側でのソフトのインストールが必要です。対応するデバイスが無ければお客様がインストールできないなどで、お客様にストレスが掛かる恐れもあります。
一方、日本情報クリエイトのツールでは、事前に伝えたURLを開くだけで、テレビ会議に参加できる簡単な仕組みなので、お客様側もストレスなくIT重説を受けられるでしょう。
IT重説ツールは、日本情報クリエイトの他のシステムとの連携も可能です。
例えば、「不動産専用電子契約」と連携すれば、IT重説後の契約もオンラインで締結できます。
説明から契約までをオンラインですることで、お客様の手間を大幅に減らすこともできるでしょう。
会社側としても、従来の紙の契約書に関するコストや保管場所・業務に関わる人件費を大幅に削減可能です。
オンラインで重要事項説明書するIT重説なら、遠方のお客様や忙しいお客様への対応がしやすくなります。
ただし、進み具合は通信環境に大きく左右されるため、事前に通信環境の確認をしておくことが大切です。
また、IT重説は国土交通省のガイドラインによって「カメラやマイクをONにする」などの義務があるため、ガイドラインをきちんと把握しておくようにしましょう。
IT重説をスムーズに進めるには、日本情報クリエイトのIT重説ツールがおすすめです。電子契約システムと連携すれば、説明から契約までを簡単にでき双方の契約の手間を大きく省けるでしょう。この機会にぜひ検討してみてください。
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