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不動産業を開業するにあたり、宅地建物取引士の資格取得が必要だと認識している人も多いでしょう。しかし実は、不動産業の中でも開業する業種によっては、資格取得が不要なケースもあります。
本記事では、不動産開業に持っておくと良い資格として、宅地建物取引士について解説すると共に、そのほかの不動産関連資格についてもご紹介していきます。
不動産関係の資格として宅地建物取引士の資格は有名ですが、不動産業を営むにあたり、資格取得は必須条件なのでしょうか。
結論からいうと、不動産業の中でも宅地建物取引業を行うには宅地建物取引士の資格が必要です。
具体的には、以下の表をご確認ください。
区分 | 自己物件 | 他人の物件の代理 | 他人の物件の媒介 |
---|---|---|---|
売買 | 必要 | 必要 | 必要 |
交換 | 必要 | 必要 | 必要 |
賃借 | 不要 | 必要 | 必要 |
上記のとおり、不動産を扱う事業の中でも、自己が所有する物件を貸し出す場合には宅建業の免許が不要となります。反対に、それ以外の事業を営む場合には宅地建物取引士の資格が必要ということを押さえておきましょう。
宅地建物取引士の資格を取得するには、毎年10月第三日曜日に開催される資格試験に合格する必要があります。
資格試験の概要は以下の通りです。
受験資格 | 日本国内に居住する方 |
出題形式 | 全50問・4肢択一式 |
試験日 | 10月の第3日曜日午後1時~午後3時 ※登録講習終了者は午後1時10分~午後3時 |
試験場所 | 原則、住んでいる都道府県の指定された試験会場 |
受験手数料 | 8,200円 |
合格率 | 15~20%程度 |
宅地建物取引士の試験は年に1回しか開催されないため、スケジュールを把握したうえでしっかり準備していくことが大切です。
資格試験を受けるには、毎年7月に試験案内がインターネット上に掲載され、7月中に申し込みを済ませる必要があります。なお、インターネットからでも申し込みできますが、インターネットからの場合は期限が中旬頃までとなっている点に注意が必要です。
また、宅地建物取引士の試験は宅建登録講習という制度があり、宅建業に従事している方であれば、事前の講習を受けることで50問中5問が免除されます。
宅地建物取引士の資格は独学でも合格できますが、専門学校に通った方が合格しやすくなるでしょう。
また、不動産業を開業した後は、従業員の方に資格取得してもらうこともあります。
そうしたときに利用を検討したいのが、また、不動教育訓練給付制度です。
教育訓練給付制度は、一定の受給要件を満たした方が、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了した際に受講費用の一部について給付を受けられる制度です。
宅地建物取引士の資格取得時にも教育訓練給付制度を活用できます。しかし、教育訓練給金を受け取るには、雇用保険の加入期間などいくつかの給付条件があるため、確認しておきましょう。
(参照:教育訓練給付制度リーフレット)
なお、給付金の額は講座費用の20%(上限10万円)となっています。例えば、受講費が20万円だった場合は4万円の給付を受けることが可能です。
(参照:教育訓練給付制度)
不動産関連の資格は、宅地建物取引士以外にもいくつかあります。ここでは、不動産開業時に役立つ資格として、以下の5つをご紹介します。
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づき、不動産を鑑定評価できる資格です。不動産関連資格の中でも最高峰の資格と言われています。
不動産鑑定士の資格概要は以下の通りです。
受験資格 | なし(短答式試験の場合) |
出題形式 | 短答式、論文式 |
試験日 | 短答式試験:5月 論文式試験:8月 |
試験場所 | 短答式試験:北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県 論文式試験:東京都・大阪府・福岡県 |
受験手数料 | 書面申請:13,000円(論文式試験も含む) 電子申請:12,800円(論文式試験も含む) |
合格率 | 短答式試験:32%程度 論文式試験:14%程度 |
不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験に分かれており、短答式試験の合格者が8月の論文式試験を受けられるようになっています。
合格率を見るとそう高くないように見えてしまいますが、論文式試験は短答式試験の合格者のみ受験できる点や、論文式試験は3日に渡る試験である点など、そもそも試験を受ける方が限られることが要因だといえるでしょう。
不動産鑑定士の資格を取得すれば、不動産鑑定に関する業務を受けることが可能になります。不動産賃貸業や仲介業をやりつつ、鑑定事務所を開くといったことも考えられるでしょう。
不動産鑑定士は公示地価の鑑定など、公的業務を引き受けるケースもあり、安定した収入を得られる可能性があります。
マンション管理士はマンション管理士はマンションの管理に関する国家資格マンションの管理に関する国家資格で、資格取得後はマンション管理に関するコンサルティングなどの業務において、一定の知識を持っていることを証明できるでしょう。
マンション管理士の資格概要は以下の通りです。
受験資格 | なし |
出題形式 | 50問4肢択一のマークシート方式 |
試験日 | 11月の最終日曜日 |
試験場所 | 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市並びにこれら周辺地域 |
受験手数料 | 9,400円 |
合格率 | 8~9%程度 |
不動産関連資格の中では宅地建物取引士よりも合格率が低く、難易度の高い資格だといえるでしょう。
老朽化するマンションが増える中で、マンションの管理に関する専門家の需要は増えており、資格を取得することで仕事を増やせる可能性があります。
ただし、マンション管理士は宅地建物取引士などの資格と異なり、資格を保有しないとできない独占業務はありません。
賃貸不動産経営管理士は賃貸経営を適正に行うための資格で、2021年6月より賃貸住宅を管理するには業務管理者を設置することが必須となりました。
また、業務管理者になるには賃貸不動産経営管理士の資格を保有している必要があります。
賃貸不動産経営管理士の資格概要は以下の通りです。
受験資格 | なし |
出題形式 | 全50問・4肢択一式 |
試験日 | 11月の第3日曜日 |
試験場所 | 北海道、岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、 新潟、石川、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、奈良、京都、大阪、兵庫、 島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、福岡、熊本、長崎、大分、鹿児島、沖縄(全国35地域) |
受験手数料 | 13,200円 |
合格率 | 30%程度 |
賃貸不動産経営管理士の合格率は30%程度と、不動産系の他の資格と比べても取得しやすくなっているといえるでしょう。
賃貸不動産経営管理士は賃貸住宅を管理するのに必要な資格ということもあり、今後も高い需要が見込めます。
そこまで難易度が高い資格ではありませんが、年に1回しか開催されないため、しっかり準備することが大切です。
土地家屋調査士は「表示に関する登記」を代行できる資格です。
土地家屋調査士の資格概要は以下の通りです。
受験資格 | なし |
出題形式 | 筆記 午前の部:平面測量10問/作図1問 午後の部:[択一]不動産登記法・民法他から20問、[書式]土地・建物から各1問 口述 1人15分程度の面接方式による試験 |
試験日 | 筆記 10月第3週の日曜日 口述 1月中旬(筆記試験合格者のみ) |
試験場所 | 東京、大阪、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松 |
受験手数料 | 8,300円 |
合格率 | 10%程度 |
土地家屋調査士は、表示に関する登記が可能です。土地家屋調査士として登記や測量に関する業務で開業したり、司法書士とのダブルライセンスで事務所を開業するといったことが考えられるでしょう。
ファイナンシャル・プランナーはファイナンシャルプランに関するアドバイスなどができる資格で、正確にはファイナンシャル・プランニング技能士と呼ばれます。
お金のことを勉強できるため、金融関連の業務に取り組んでいる方だけでなく、一般の方にも人気の資格となっています。
ファイナンシャル・プランナーの資格概要は以下の通りです。本記事ではFP協会に絞ってご紹介いたします。
受検資格 | なし(3級の場合) |
出題形式 | 学科試験、実技試験 |
試験日 | 2級・3級:5月・9月・1月 1級:9月 |
試験場所 | 全国47都道府県(1級を除く) |
受検手数料 | 1級 学科試験:8,900円 2級 学科試験:5,700円 実技試験:6,000円 学科試験と実技試験:11,700円 3級 学科試験:4,000円 実技試験:4,000円 学科試験と実技試験:8,000円 |
合格率 | 3級で80~90%程度 2級で40~50%程度 1級は10%程度 |
2級と3級は、学科試験と実技試験を同じ日に受検することができ、1級は、学科試験合格後に実技試験を受検します。
また、一部合格者には試験免除制度があり、学科試験(あるいは実技試験)のみの合格者は、学科試験(あるいは実技試験)が免除されます(ただし、合格した学科試験(あるいは実技試験)の試験日が属する年度の翌々年度末までに行われるものに限ります)。
不動産関連の業務はお金に関する知識が求められることが多く、お金に関するプロフェッショナルであるファイナンシャル・プランニング技能士試験で学べる内容が活かせることは多いでしょう。
なお、ファイナンシャル・プランニング技能士の資格は、資格を持たなければできない独占業務はありません。
不動産の開業に必要な資格や役立つ資格についてお伝えしました。
不動産業の中でも、特に宅建業に該当する業務で開業する場合には宅建業の資格を取得するか、宅建業の資格を保有する人を雇うことが必須となります。
宅地建物取引士試験の合格率は15~20%程度と高くはありませんが、しっかり勉強すれば合格できないことはないでしょう。年に1回しか試験が実施されないため、スケジュールを押さえて準備するようにしましょう。
また、不動産開業に役立つ資格として、他にもいくつかご紹介しております。開業後に展開したい事業内容から、取得したい資格があるのであれば、資格取得を目指して計画を立てていくとよいでしょう。
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