不動産フランチャイズについて-第3回-

2017.04.12

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フランチャイズ第3回

はじめに

不動産仲介フランチャイズを調べてみました。これからFC加盟を検討している不動産会社様に少しでも参考になれば幸いです。不動産フランチャイズ店は全国区のものから一部の地域特定のものまで多数ありますが、公開されている情報を元に一覧化しております。尚、店舗数等の情報は、ホームページ上に記載されているものを整理したものとなります。どのサイトにも本情報のようにまとめたものはありませんでしたので、今回の調査を機にまとめてみましたので是非ご覧ください。矢野経済研究所が2016年11月に発表した「賃貸住宅仲介業の店舗数に関する調査を実施」でも、賃貸仲介は「アパマンショップ・ホールディングス」が2016年9月時点で、1164店鋪(直営含むFC店舗数)で1位になっており、2位は「センチュリー21ジャパン」となっており、本記事の調査結果と同数でした。

出典URL:http://www.yano.co.jp/press/pdf/1611.pdf

記載内容(お伝えしたいこと)

第1回

 

1.不動産フランチャイズの一覧
2.日本全国の表面的に不動産FCに加盟している業者数は約3000社

第2回

 

3.宅建業者数は微増
4.不動産FCに加盟するメリット

第3回

 

5.不動産FCの歴史
6.現状〜展望
7.まとめ

5. 不動産FCの歴史

まずは、不動産だけでなくフランチャイズの歴史を調べてみます。

フランチャイズの歴史

日本のFCは40年ほどの歴史がありますが、フランチャイズの歴史はアメリカで始まったと言われており100年以上の歴史があります。
1850年代にシンガー社が販売権を持つ小売店を全米に設置したことが始まりだとされています。シンガー社は販売店に対し特定の販売地域を指定してシンガー・ソーイング・ミシンの販売権を付与し、販売割合に対してその対価を徴収する方式をとりました。
つまり現在のロイヤリティの仕組みを考案されたとされています。
ここでは「シンガーミシン」という名称を使用することがFCの主な内容でした。

このようなスタイルは「商標ライセンス型フランチャイズシステム」と呼ばれており、自動車、ガソリンスタンド、ペイント、靴、清涼飲料水のようなメーカー主導の垂直的、商品流通システムです。
アメリカでは1960年代から70年代にかけて発展したため、伝統的フランチャイズとも呼ばれます。

近代では「ケンタッキー・フライドチキン」、「マクドナルド」のような商品、製品、原材料の提供だけでなく、事業形態や営業方法、そして経営ノウハウが一体となって本部から加盟店へ提供される「ビジネスフォーマット型フランチャイズシステム」が主流になっています。

日本では1969年3月に第二資本自由化が行われ、1970年代初頭には「ケンタッキー・フライドチキン」、「ミスター・ドーナツ」、「マクドナルド」などが続々と登場し、1970年代中盤では、西友が「ファミリーマート」、ダイエーが「ローソン」の展開を開始。ヨークセブン(イトーヨーカ堂子会社)が「セブン-イレブン」を開店しました。この間、日本フランチャイズチェーン協会の設立や、法律の制定がされフランチャイズビジネスは日本の経済の成長とともに大きな発展を遂げることになりました。

日本初の不動産フランチャイズは住通チェーン

日本初の不動産フランチャイズは「LIXILイーアールジャパン」の全身である「住通チェーン」が1981年6月に設立され、2002年頃に住通からERAジャパンに社名変更。次いで1983年に伊藤忠商事がアメリカで誕生したセンチュリー21と提携しセンチュリー21ジャパンが設立。1988年10月にスターツのピタットハウスがオープン。アパマンショップは1999年10月に設立。同じく1999年にはホームメイトのFC店1号がオープンする。

不動産FCの発展と日本経済の関連

日本経済は1991年から始まった株価と土地価格の暴落によってバブルが崩壊し、土地神話が崩壊したと言われていました。1997年には山一證券と北海道拓殖銀行が破綻し、1998年には日本長期信用銀行と一時国有化。1999年には主な銀行すべてに公的資金が導入。2002年に小泉内閣の通称竹中プランと呼ばれていた金融再生プログラムが実施されるまでバブル崩壊の影響が続き、「失われた10年」ともいわれていました。
この時期の日本は不動産価格が底をついており、海外の不動産投資ファンドが安くなった日本の不動産を買いに入ってきていました。2001年3月にJ-REITが開設され、2005年頃はオフィスビルから居住用マンションの投資も増え、2006年頃には不動産の価格は高騰し、一部の地域不動産価格が急上昇したため「ファンドバブル」「ミニバブル」と呼ばれるようになり投資用マンションが増加していました。
2007年頃アメリカでは住宅価格が下落し始め、サブプライムローンの不良債権化を端に発し、2008年9月にリーマンブラザーズの倒産による、いわゆるリーマンショックが世界的金融危機を引き起こし、2008年以降も日本経済は低迷し、デフレが続く、失われた20年と言われるようになりました。

フランチャイズ店が日本全国に

このような背景があり、不動産仲介店は増加の一途を辿り2002年頃にはアパマンショップ600店鋪、センチュリー21、イーアールジャパンも店舗数500店鋪を超え始め不動産フランチャイズ店は一気に日本全国に増え続けました。需要バランスが変わってしまった不動産賃貸の業界では人口減少の傾向にあるとはいえ一定の住替えニーズがあり、収益物件量が多くあるため、賃貸仲介ビジネスモデルは比較的、事業展開しやすいモデルといえました。

6. 現状〜展望

賃貸物件の過当競争による業務変化

賃貸であれば、住み替え客を集めるために「敷金ゼロ」、「礼金ゼロ」、「仲介手数料ゼロ」、「前家賃ゼロ」、「鍵交換費用ゼロ」など入居希望者から徴収する費用を減額する物件が増えてきました。特に収益物件である賃貸マンション・アパートは積極的にゼロ物件を押し出して競争力を上げています。そのため管理会社は自社サイトに「仲介会社向け空き室情報ページ」といったものを作り他業者への情報発信を行うようになりました。
物件情報の交換であれば、at homeやマイソクのようなサービス、REINSで十分だったのですが、「入居促進費用(AD/広告料)」の台頭により、入居促進費用を掲載できないサイトでは満足いく情報発信ができないため、物件情報を共有するサービスが求められるようになってきました。前述している管理会社のホームページから仲介会社は情報を入手する手間、入手したそれらの物件情報を広告に出す手間、広告に出した物件情報が成約になっていないかの確認を行い、情報をクリーニングする手間、これらの手間を情報入手する管理会社の数だけ行わなければなりませんでした。このような業務の手間を軽減するITツールを不動産FCによっては加盟店に提供されており、FCに加盟するメリットの中にも記載されていたりします。

ファインテック・リアルエステートテック

これまでITツールを開発するには、多額の費用が必要でした。近年、AI、IOT、クラウドなど新しい技術が台頭しており、新聞等メディアで目にしない日がないくらいです。不動産業界ではリアルエステートテック、ソニー不動産に代表されるような、物件価格を集積してビッグデータ化し物件情報の価格査定をする、そのような技術を多数のITベンダーが提供を始めており、不動産FCで提供されるようなITサービスが使えるようになってきました。

7. まとめ(これから開業する方へ)

不動産FC店に加盟して開業するか、自社ブランドで開業するかの選択の判断材料もこれまでの情報とこれからの情報では若干変わってくるのかもしれません。それは時代の変化とともに事業環境も変わりますし、これからの日本経済や不動産業界のことを捉えると、このリアルエステートテックは、業界の何かを変えるのではないかと思います。

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