不動産管理会社の設立のメリット・デメリットとは|大まかな流れや節税対策も解説

2023.01.25

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不動産業の開業を考え始めて、不動産管理会社を設立するか個人事業主とするかで迷っている方もいらっしゃるでしょう。それぞれにメリット・デメリットがありますが、事業を拡大していきたい場合は、会社設立がおすすめです。

この記事では、不動産管理会社を設立するメリット・デメリットや、具体的な流れなどをご紹介します。

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01.不動産管理会社には3つの業態がある

不動産管理会社の設立を考えるにあたり、不動産会社には3つの業態があることを知っておくことが大切です。具体的には、以下の3つです。

  • 管理委託方式
  • 不動産所有方式
  • サブリース方式

●管理委託方式

管理委託方式とは、不動産のオーナーと入居者との間に入り、不動産の管理の委託を受ける方式のことです。

メリット

管理委託方式のメリットとしては、以下が挙げられます。

  • 比較的簡単に始められる
  • 安定した収益を得られる

管理委託方式は、家賃の集金や清掃などの管理委託を受けるだけのため、業務としては比較的簡単に始めやすいといえるでしょう。

また、オーナーからの管理料で利益を上げていくため、一度管理委託契約を結ぶと毎月管理料を受け取れます。安定した収益が得られるという点もメリットです。

デメリット

一方、デメリットとしては、1戸あたり得られる収益は小さいということが挙げられます。
管理料の相場は家賃の5%程度です。例えば、家賃8万円の物件を10戸管理するとした場合、8万円×10戸×5%=4万円という計算になります。とくに管理戸数の規模が小さいうちは、事業として成り立たせるのは難しいといえるでしょう。

●不動産所有方式

不動産所有方式とは、自社で不動産を所有して入居者に貸し出し、賃料を得る方式のことです。

メリット

不動産所有方式のメリットとしては、以下が挙げられます。

  • お金の流れがシンプルで分かりやすい
  • 家賃収入のすべてが管理会社の収入となる

不動産所有方式では、入居者から家賃収入を得るだけのため、お金の流れがシンプルです。

また、家賃収入のすべてが管理会社の収入となるため、管理戸数を増やせば収益を大きく伸ばしやすい点もメリットだといえるでしょう。

デメリット

一方、デメリットとしては、初期費用がかかることが挙げられます。
収益不動産を所有するには、中古の不動産を購入するか、マンションなど物件を建てる方法がありますが、いずれにせよ大きなお金が必要です。

なお、将来建物を売却した場合に消費税の納税義務者(課税事業者)となる可能性があります。
とくに、小さく不動産事業を運営していきたいと考えている方は注意が必要です。

●サブリース方式

サブリース方式とは、不動産のオーナーから建物1棟を丸ごと借り受けて管理する方式のことです。不動産会社としては、管理委託方式とそう変わらない方式だといえるでしょう。

基本的には、オーナーへ支払う賃料より入居者から支払われる賃料を約15%上乗せすることで、利益を上げていきます。

メリット・デメリットも基本的に管理委託方式と同じです。ただ、1点注意しなければならないこととして、オーナーと入居者それぞれと賃貸契約を結ぶ必要があるため、二重となり手続きが煩雑になってしまうことが挙げられます。

02.不動産会社を設立するメリット2つ

不動産会社の設立を考えている方のなかには、個人事業主として事業を始める場合との違いが気になる方もいらっしゃるでしょう。
不動産会社を設立するメリットには以下があります。個人事業主との違いとともに解説します。

  • 税率を下げられる
  • 事業を拡大できる

●税率を下げられる

不動産会社を設立することで、税率を下げられる可能性があります。

個人事業主として不動産業を営む場合、その所得には所得税が課されます。所得税は累進課税であり、所得が大きくなるほど税率が高くなってしまうのです。

一方、会社を設立すると、得られた所得には法人税が課されます。法人税は、所得税のように収益が高くなるほど税率が高くなる税制ではなく、一定金額以上の所得であれば一律です。このため、とくに規模が大きくなるほど法人化するメリットが大きくなるといえるでしょう。

ただし、収益が低いうちは、法人税率より所得税率のほうが低いこともあるため、注意が必要です。

●事業を拡大できる

不動産会社を設立することで事業を拡大しやすくなるといえるでしょう。

個人事業主でも事業拡大は可能ですが、法人であることの信用度の高さから、大きな取引を依頼される可能性が高くなります。

また、オーナーさんや入居者も、管理会社が個人事業主のままでいるより法人化したほうが安心しやすいため契約を継続してもらえる可能性が高くなり、持続型の経営を目指しやすいといえます。

03.不動産会社を設立するデメリット2つ

一方、不動産会社を設立するのにはデメリットもあります。具体的には、以下です。

  • 会社設立の費用がかかる
  • 会社設立後も法人住民税がかかり続ける

●会社設立の費用がかかる

個人事業主の場合は税務署に開業届を出すだけで事足りるため費用はかかりませんが、会社を設立するのには費用がかかります。

会社の形態には株式会社や合同会社などがあり、株式会社の場合で24万円程度、合同会社の場合で10万円程度の費用がかかります。なお、株式会社を設立する場合にかかる費用の内訳は以下の通りです。

項目 大まかな金額
定款認証手数料 3~5万円(資本金の額により異なります)
登録免許税 15万円
収入印紙代 4万円(電子定款の場合は必要ありません)
定款の謄本手数料 2千円

上記以外に、司法書士に手続きを代行してもらう場合には別途報酬を支払わなければいけません。株式会社設立の司法書士報酬は、依頼する司法書士によっても異なりますが、概ね7~10万円程度が相場です。

●会社設立後も法人住民税がかかり続ける

所得税(個人事業主)や法人税(法人)は、通常、所得額に応じて税金を納めるものです。このため、所得が出なかった場合には所得税や法人税を納める必要はありません。

一方、法人住民税には「均等割」があり、仮に所得が出なかった場合でも、7万円は納める必要があります。

個人事業主として不動産事業に取り組む場合と比べると、仮に赤字であっても税金を納めなければならないという点には注意しなければならないでしょう。

04.不動産管理会社の設立の流れ6ステップ

不動産管理会社を設立するメリット・デメリットを踏まえたうえで、設立への意向を固めた方に向けて、次に設立の流れを紹介します。

  • 設立する会社の種類を決める
  • 会社基本事項を決める
  • 定款を作成する
  • 定款を認証してもらう
  • 出資金を払う
  • 登記申請をする

●設立する会社の種類を決める

まずは、株式会社や合同会社などの設立する会社の形態を決めます。

株式会社を設立するには初期費用が24万円程度なのに対し、合同会社の場合は10万円程度で済ませることができます。しかし、合同会社は新しい会社形態で知名度が低いため、株式会社のほうが認知度が高く、社会的信用の担保がしやすいといえます。

なお、最初に合同会社として設立して、後で株式会社に変更することも可能です。

●会社基本事項を決める

次に、会社基本事項を決めましょう。具体的には、以下のような項目があります。

・会社の商号
・目的(事業内容)
・本店所在地
・資本金
・役員構成(社員構成)
・事業年度

●定款を作成する

次に、先程決めた基本事項などを記した定款を作成します。定款は会社を経営していくためのルールをまとめたもので、会社設立の発起人が作成するものです。

●定款を認証してもらう

株式会社を設立する場合、作成した定款を公証人役場で認証してもらいます。なお、合同会社の場合でも定款を作成する必要がありますが、認証して貰う必要はありません。

なお、定款認証手数料は資本金の額により異なりますが、3~5万円です。

●出資金を払う

定款の認証が済んだら、出資金を払います。具体的には、発起人名義の口座を作成したうえで、出資金の額を振り込む形で手続きするのです。

なお、出資金の額は2006年の法改正により1円からでも法人設立できるようになりました。

●登記申請をする

資本金の払い込みが済んだら、法人設立の登記申請をします。登記申請は、法務局で手続きできるほか、オンラインでも登記可能です。なお、登記申請を受け付けた日が会社の設立年月日になるので、こだわりたい方は申請のタイミングに注意しておくとよいでしょう。

登記時に、株式会社の場合は登録免許税として最低15万円、合同会社の場合は最低6万円の費用が必要です。(資本金の額により変動します)

05.不動産開業なら日本情報クリエイトの賃貸管理システム

法人設立にはメリット・デメリットがありますが、不動産業で開業して事業を拡大していきたいのであれば、基本的には会社を設立するのがおすすめです。

また、併せて、創業してから大きく業績を伸ばしている企業は、不動産システムをうまく活用しています。とくに日本情報クリエイトの賃貸管理システム「賃貸革命」は、多くの企業様に導入いただいております。

仲介業務と管理業務のほぼすべての業務を一元管理できる「賃貸革命」

日本情報クリエイトの賃貸管理システム「賃貸革命」は、仲介業務と管理業務のほぼすべての業務を一元管理することが可能です。システムを通して入力した物件情報やオーナー情報は一元管理され、物件管理や家賃管理などさまざまな場面で活用できます。開業時からシステムを導入していくことで、こうした情報を蓄積していくことができるでしょう。

事業が軌道に乗り、顧客が増えてきたとしても業務を効率化できるため、質を落とさない管理業務を提供しやすくなります。

ホームページ制作ツール「WMP」で開業後の集客もカバー

また、賃貸管理と併せて活用していきたいのがホームページ制作ツールWeb Manager Pro(以下、WMP)です。

昨今では、集客のメインはオンラインであり、ホームページによるオンライン集客はその中心的役割を担うといえるでしょう。

WMPを使えば、ホームページ制作の知識がなくとも簡単に自社ホームページを制作することが可能です。また、WMPを活用する大きなメリットといえるのが、賃貸革命で入力した物件データを簡単にホームページに出力できるという点。賃貸革命と併せて導入することで、開業後の集客を力強くカバーできるでしょう。

06.まとめ

不動産管理会社の設立には立ち上げの費用がかかるなどのデメリットもありますが、事業を拡大していきたいという点においては、個人事業主よりも会社設立のほうがおすすめであるといえます。

しかし、会社設立後も運用資金はかかるため、できるだけコストを抑えて業務効率化を図るために、不動産管理システムや集客ツール、会計システムなどがパックになったプランを導入することもひとつの方法です。

日本情報クリエイトの賃貸管理システム「賃貸革命」は仲介業務と管理業務のほぼすべての業務を一元管理。併せて、WMPのホームページ制作ツールを活用することで、業務効率化できるだけでなく、開業後の集客についても安心できるでしょう。

※2023年1月18日時点の法令に基づいて記載しています。


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