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今回は21大都市のひとつである札幌市の賃貸住宅市場について確認しましょう。
筆者は21大都市を、大都市型、独立都市型、学園都市型、地方中核都市型、地方都市型の5つに分類していますが、札幌市は独立都市型に分類されます。
図1に総務省「2020年国勢調査」から作成した、札幌市と全国の年齢別人口比のグラフを示します。独立都市型は、大学進学による流入の後は、大きな変化が無く、団塊ジュニア世代のピークまで、年齢別人口比が緩やかに上昇しているのが特徴です。
図1:札幌市と全国の年齢別人口比|総務省「2020年国勢調査」より作成
札幌市の「推計人口」から作成した札幌市の各月1日時点の世帯数と人口の推移を図2に示します。
札幌市の人口は5月に大きく増加し、その後は年度末にかけて減少傾向となるサイクルです。新型コロナ感染拡大が始まった2020年~2021年中旬には人口が増加傾向で推移しましたが、コロナ禍が収束に向かうとともに、人口は減少傾向となっています。
一方で世帯数は一貫して増加傾向で進んでいます。2021年中旬以降、世帯当たり人数が急速に減少(2021年中旬:2.23人⇒2023年3月:1.99人)していることから、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって控えられていた転勤等に伴う家族世帯の東京圏への移動が、コロナ禍収束に伴い一気に進んだことが伺えます。また、5月の人口と世帯数の増減の関係から、コロナ化収束に伴い学生等の単身者の流入が増加していることも読み取れます。これも世帯人数の減少傾向に拍車をかけています。
図2:札幌市の世帯数と人口の推移|札幌市「札幌市の世帯数・人口」から作成
以上を踏まえてCRIXの指標を確認しましょう。
CRIXから作成した札幌市の面積別空室率推移を図3に、面積別賃料指数(2020年1月=100)の推移を図4に示します。コロナ禍の影響を強く受けたのは20㎡未満の賃貸住宅です。コロナ禍により、学生向け等の賃料の低い賃貸住宅からの退出が増加した可能性を示しています。また、在宅勤務が増加したことにより、20㎡未満の狭い賃貸住宅が敬遠されたという側面もあります。
図3:札幌市の面積別空室率推移|CRIXより作成
図4:札幌市の面積別賃料指数推移(2020年1月=100)|CRIXより作成
一方で、国土交通省「住宅着工統計」によるとコロナ前から2021年末にかけて札幌市で着工された貸家の平均面積が低いレベルで推移しています(図5)。これは単身者向けの賃貸住宅の供給比重が高かったことを示しています。賃貸住宅の着工から供給までは、半年~1年程度要しますので、2022年末頃までは単身者向け賃貸住宅の供給が多い状況が続いていたと考えられます。新築の賃貸住宅の賃料は高めに設定されますが、築古物件よりもテナント付が容易です。
図5:札幌市の新設貸家の戸当たり平均面積(12か月移動平均)|国土交通省「住宅着工統計」より作成
以上から、コロナ禍の影響で築古の20㎡未満の極小賃貸住宅の空室が増加したことに加え新築の供給も多く行われたため空室率が上昇した、2021年中旬以降に単身者が増加傾向となったことで、新築で賃料の高い物件からテナントが入居したことから、平均賃料が上昇した、という市場の変化が見えてきます。
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