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2021年10月に台湾の半導体生産大手のTSMCが日本に新工場を建設することを発表しました。
翌月の11月にはTSMCとソニーグループの半導体子会社のソニーセミコンダクタソリューションズが半導体製造を受託する子会社Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)を設立し、熊本県菊陽町(熊本市の北東に位置)に新工場を建設することを正式発表しました。工場は2022年4月に着工しており、2023年9月に竣工する予定です。
また、TSMCは日本に第2工場を建設することを検討しており、菊陽町はその建設地として有力視されています。JASMは新工場の要員としてTSMCからの出向も含め1,700人を想定しています。したがって、新工場稼働と同時に、要員とその家族が菊陽町もしくは隣接する熊本市に転入してくることが確実でしょう。
またTSMCの進出に伴い、取引先等の関連企業の近隣への進出も予定されています。これらは熊本市周辺の賃貸住宅市場に大きな影響を与えることになります。
以上を踏まえて熊本市の市場を確認しましょう。
図1に熊本市の貸家着工数の推移(供給)と世帯数増加幅(需要)の推移を示します。なお、季節変動を除するために両者ともに12か月の移動平均をとっています。
貸家着工数(供給)と世帯数増加幅(需要)はTSMCの進出が発表されるまではほぼ均衡して推移していました。
ところが、TSMCの新出発表後に貸家着工数(供給)が上振れしていることがわかります。世帯数増加幅(需要)の将来の拡大を見越して、まず貸家着工数(供給)が先行して増加したのです。
一方で新工場建設が開始された2022年4月以降、世帯数増加幅(需要)が大きく拡大しています。これは工場建設が開始されたことで、建設要員が大量に流入してきたことを示唆しています。
図1:熊本市の貸家着工数と世帯数増加幅の推移|国土交通省「住宅着工統計」、熊本市「人口と世帯数」より作成
続いて熊本市の賃貸住宅の空室率推移(図2)を確認しましょう。
世帯数増加幅(需要)が拡大を開始する1か月前の2023年3月からアパート、マンション共に、空室率が大きく減少しています。これは工場建設要員の宿舎を確保するために着工に先立ちアパート、マンションが確保されたことを表しています。
また、両者ともに空室率が一旦上昇し、2022年9月以降に再び減少に転じています。特に、工事の区分が土木工事中心から建設工事中心に切り替わる(つまり職人が入れ替わる)タイミングと、新工場建設発表後に着工したアパートの賃貸が開始されるタイミングか重なったことが、アパートの空室率を悪化させた要因になったと考えられます。
このように需要と供給の動きと空室率の動きが若干のタイムラグを持ちながら連動していることが確認できます。
前述した通り、JASMの新工場は2023年9月に竣工予定です。したがって8月ごろから、新工場で勤務する要員とその家族の流入による賃貸住宅市場への影響が顕在化し始めると考えられます。
本コラムでは、年末もしくは来年初めに、改めて熊本市の賃貸市場の変化について取り上げる予定です。
図2:熊本市のアパート・マンション空室率推移|日本情報クリエイトCRIXより作成
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