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日本情報クリエイト社から、賃貸住宅の「管理データ」に基づく指標「クリエイト賃貸住宅インデックス(CRIX)」が発表されました。
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賃貸住宅の「管理データ」に関しては、これまでもJ-REITや大手アパートメーカーがデータを公表していますが、物件の質が一般の物件よりも高い、組織的なリーシング(テナント付)体制がある、地域ごとの詳細なデータが公表されていない等から、これらのデータを賃貸住宅市場全体に当てはめて分析することは困難でした。このため、現在の賃貸住宅市場分析は、住宅情報提供会社の「募集データ」からの類推が主流です。
「管理データ」の分析結果の公表は、間違いなく賃貸住宅市場の分析に一石を投じることになるでしょう。
今回は、まず賃料と空室率が発表されましたが、「管理データ」のより詳細な分析が期待されます。
「管理データ」と「募集データ」にはどのような違いがあるでしょうか。今回は賃料に絞って解説しましょう。
賃料の「募集データ」は、現在テナントが入居していない部屋の賃料を、部屋のオーナーもしくは管理会社がテナントを募集する際の希望賃料です。この希望賃料は、長期間テナントが決まらないと引き下げられます。「募集データ」には募集開始当初の「高い」希望賃料からテナントの入居が決まる直前の「価格の下がった」希望賃料までが混在しています。
したがって、「募集データ」の賃料の平均値は、すでに入居が決まって支払われている「管理データ」の賃料(支払い家賃)の平均値よりも高い値になります。賃貸住宅に限らず、不動産の「募集データ」の賃料は需要と供給に影響を受けます。需要が高い(もしくは供給が少ない)と「募集データ」の賃料は上昇し、需要が低い(もしくは供給過剰)と「募集データ」の賃料は下落します。
また「募集データ」の賃料は、景気動向の影響も受けます。景気が上向いている場合は上昇基調となり、景気が悪化している場合は下降基調となります。賃貸住宅は需要と供給、オフィスは景気動向の影響をより強く受けます。このため「募集データ」の賃料は、需給や景気動向に応じて、比較的大きく上下します。
これに対して「管理データ」の賃料(支払い賃料)は安定しています。日本の賃貸住宅は供給過剰ですので、景気が上向いても賃料の値上げ交渉を行いにくいという側面があります。需給や景気動向が賃料に反映されるのは、現在のテナントが退去して新規募集を行うタイミングです。
もっとも、テナントの新規募集にはコストや期間がかかります。安定した賃貸住宅経営を行うためには、テナントに長期間入居してもらったほうがよいのです。
以上を踏まえて、東京23区の「管理データ」と「募集データ」の違いを図1で確認してみましょう。
データ数の多い30㎡以下のマンションで比較を行っています。
「管理データ」は日本情報クリエイト社「クリエイト賃貸住宅インデックス」の支払い賃料の平均値、「募集データ」はアットホーム社が公表している「全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向」の募集賃料の平均値から作成しました。
「管理データ」の平均賃料は「募集データ」の平均賃料の8割弱で推移しています。「募集データ」の平均賃料がコロナ禍に下落傾向で推移しているのに対し、「管理データ」の平均賃料は僅かに上昇傾向で推移しています。これは安い賃料で長期間入居していたテナントがコロナ禍で退去し、次のテナントが入居する際に賃料を若干上げることができた可能性を示しています。
このように、「募集データ」だけでは見えなかった市場の実態を確認することができます。
図1:東京23区30㎡以下賃貸マンションの「募集データ」の賃料の平均値と「管理データ」の賃料の平均値
日本情報クリエイト社「クリエイト賃貸住宅インデックス」、アットホーム社「全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向」から作成
CRIX(クリックス:Create Rental housing Index)は、当社が保有する膨大な量の賃貸住宅管理データ(ビッグデータ)より算出した、賃料・空室状況に関するインデックスで、次のような特徴を持っています。
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