電子契約の運用ポイント・活用事例集フォーム
昨今コロナ禍の影響もあり、テレワークやテレビ会議など社会は一気にオンライン化が進みました。不動産業界も例外ではなく、オンライン内見や電子入居申し込み、IT重説などの不動産業務DXツールが普及し、これまで不動産店舗で行っていた業務がオンライン上で行われるようになりました。
今回は、不動産業務DXツールの中でも、デジタル改革関連法の成立などにより注目度の高い「電子契約システム」について、その概要と導入するメリットをご紹介いたします。
電子契約とは、インターネットなどの通信回線による契約のことで、契約成立の証拠として、電子署名やタイムスタンプを付与した電子ファイルを利用するもののことを指します。
これまでの紙と判子で行っていた契約とは異なり、契約書面の郵送などの手間が省けるため、よりスピーディーでスムーズに契約を進めることができます。
国内企業981社のIT・情報セキュリティ責任者を対象に実施されたアンケート「企業IT利活用動向調査2021」によりますと、コロナ禍において、電子契約の利用企業は前回調査時(2020年7月)の41.5%から67.2%に拡大。今後の予定を含めると8割強が電子契約を利用する見込みとのことで、すでに多くの企業が電子契約の利用を進めています。
参考:「コロナ禍により電子契約の利用企業は67.2%へ拡大」
-JIPDECとITRが『企業IT利活用動向調査2021』の速報結果を発表-
https://kyodonewsprwire.jp/release/202103162338
(最終アクセス:2021年10月11日)
それでは、不動産業界における電子契約に言及してみるとどうでしょうか。
不動産業界についても、2021年5月にデジタル改革関連法が成立したことにより、重要事項説明や書類手続きのオンライン化が可能になり、2022年5月中旬までには賃貸契約を全てオンラインで行うことができるようになります。
不動産事業者に対象に実施されたアンケート「不動産業界におけるDX推進状況」によりますと、「電子契約システム」については83%が「導入したい」と回答。30%は既に「導入準備を進めている」と回答しており、不動産業界においても電子契約導入の意向の高さと普及が徐々に進んでいることが見て取れます。
参考:「不動産業界におけるDX推進状況」
P5 – 「電子契約に移行できる体制への準備を行っていますか?」
https://retechjapan.org/doc/210716_questionnaire.pdf
(最終アクセス:2021年10月11日)
電子契約を導入することで、これまでの不動産業務が以下のように改善されます。
これまでは…
電子契約を導入すると、オンライン上の操作だけで業務が完結し、書面の作成や郵送の手間などを省くことができるため業務効率化につながります。
また、書面の場合、現在どこまで契約が進んでいるかの進捗管理に煩わしさがありましたが、電子契約の場合、オンライン上で進捗を確認することができ、進捗が滞った際はメールで連絡するなどスムーズに契約を進めやすくなります。
これまでは…
電子契約を導入すると、先述の通り書面の作成が不要となるため、それらにかかる費用を抑えることができコスト削減につながります。
これまでは…
電子契約を導入すると、契約書面が電子化されるので、契約書面を保管するスペースは不要になります。書面を探す際も、手作業ではなく検索機能を使用することができるので、より簡易になります。
また、電子化された書面をクラウド上で管理することで、災害時に紛失するリスクも回避することができます。
入居者側のメリット
入居希望者にとっても、融通が利く、自由度が増す、手間を省くことができるといったメリットがあり、また、コロナ禍において「不要な外出をなるべく避けたい」というニーズにも応えることができます。
オンライン内見や電子入居申込に続き、ついに電子契約が導入されると、住まい探しの流れは全てオンライン上で完結することが可能となります。電子契約を導入することで、不動産業者側、入居希望者側、どちらも不要にできる作業はなるべく省き、賃貸契約をよりシンプルに行うことができるようになるということが言えるでしょう。
2020年5月のデジタル改革関連法施行に向け、まずは電子契約システムについて情報収集するとこから始めてみてはいかがでしょうか。
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